【絶対に至って真】
絵を書くということも
書を書くということも
何をすることも
絶対に至って初めて真で、
つまり絵を書いて
それを売るためではない。
褒められるためでもない。
書かざるべからずして
書くということが
書道の根本義である。
胸中の丘壑が画面に
躍動して絵になる。
それが本当の絵である。
その胸中の丘壑が紙の上に
躍動して出ようとする時に、
躍動せずんば止まぬ時に、
それを自ら手伝う産婆の役目、
或いは妊婦自身のいろいろな
努力がこれすなわち芸術である。
それに対する批評、讃美、報酬、
そういうことは自然に
それから生じてくることである。