安岡正篤一日一言 令和元年10月15日(火曜日)

【人物研究と小人奸物 ①】
 真の人物研究は、
 必ずしも偉大な英雄哲人に
 限るものではない。

 いかにも英雄哲人は
 我々の卑陋【ひろう】さを痛く刺激して、
 感奮興起させるに
 最も強烈な力を有するが、

 しかし我々はそれに浮かされて、
 いたずらに感傷に流れ、
 興奮に止まってはならぬ。

 あくまでも厳粛に我々が
 気づかぬさまざまな生活を会得し、
 ともすれば閑却し易い人生の
 深い本質的な問題に触れて、

 自己の人格識見を完成してゆくところに
 最も高貴な意義があるのである。