【敬と信仰】
敬するというのは、
より高きものに対する
人間独特の心で、
敬するから、
至らない自分を省みて恥ずる、
これは陰陽の原理であります。
敬するから恥ずる、
恥ずるから慎む。
戒める。
この恥ずる、慎む、
戒めるということが
主体になる時に道徳と
いうものができるのです。
敬するということが建前に
なる時に宗教というものになる、
信仰というものになる、
信仰というものがあれば
必ず道徳がその中に入る。
道徳なき信仰と
いうものはありません。
又信ずるところ、
信仰があるから、
恥ずる・慎む・戒むという、
これが建前になって道徳になる。
道徳という時には
宗教が中に入る、
宗教という時には
道徳が中に入る。
宗教なき道徳なく、
道徳なき宗教は
ないのであります。