【足るという意味】
たるという字を手ると書かずに、
足ると書くことに注意しなければなりません。
足は人体の中で一番中心から離れ、
重い上体を支えてこれを遠くまで運びます。
その上大地や床等に接するため不潔になりやすく、
注意を怠ると腫物(はれもの)ができたり、
傷をしたりして、不自由を感じる場合があります。
手の傷ですとそんなにも不自由を感じないのに、
足の傷は大変です。乗り物が発達したため
昨今は昔のように歩かなくなったので、足が弱くなり、
これが原因でいろいろな病気にかかって苦しむ人が
多くなりました。これなどは足が十分でない、
すなわち「不足」が原因と申せましょう。
そこで常に足を清潔にして、鍛錬しておりますと、
身体は健康で、その日常生活はきわめて
「満足」となりましょう。