【人間観察の意義】
人間は造化が何千万年何億年かかって、
勤労の結果、かくの如く真善美を解し、
これを希(ねが)う者として
地上に生まれ出でたのである。
これを思えば、我々は人間に対して
おのずから敬虔(けいけん)に、
かつ温裕なるべきが道である。
我々は人間のあらゆる心境を
こまやかに観察することによって、
着実慎密(しんみつ)に、しかしできるだけ
雄大荘厳な理想を抱かねばならない。