【国の見方】
国にして治法あらざるなく、
国にして乱法あらざるなし。
国にして賢士あらざるなく、
国にして罷(ひ)士(役に立たなくなった人間)あらざるなし。
国にして愿(げん)民(善良な民)あらざるなく、
国にして悍民(利己的主張や行動をたけだけしくやる者)あらざるなし。
国にして美俗あらざるなく、
国にして悪俗あらざるなし。
両者並行して国在り。
上に偏(かたむ)けば国安く、下に偏けば国危し。(王覇)
要するに両者いずれの方にかたむくかである。
歴史上の一々の具体的事情がどうあろうと、
そんなことには関係なく、共通の原則的問題である。