【古典の読み方 ②】
子供のためにも矢張り『日本外史』『日本政記』
『中朝事実(ちゅうちょうじじつ)』等宜しい。
外国のもので、バイブルはやはり通覧すべきものです。
エマーソン・カーライル・ゲーテ・モンテーン・アミエルは親しみたいものです。
就中プルタークの『英雄伝』と、セネカは必読書でしょう。
集に入っては又限りがありませんが、
藤原惺窩(ふじわらせいか)・山鹿素行(やまがそこう)・
中江藤樹(なかえとうじゅ)・熊沢蕃山(くまざわばんざん)・
佐藤一斎(さとういっさい)・広瀬淡窓(ひろせたんそう)・
三浦梅園(みうらばいえん)のものなど手にも入り易く、
世にも知られて、是非御覧になって置くべきです。
それから二宮尊徳(にのみやそんとく)、
尚(なお)この二宮尊徳と合せて皆さんにお勧めしたいのは、
千葉の大原幽学(おおはらゆうがく)という人です。
この人は殊(こと)に農士道――郷学の立場から深く注意すべきです。
尊徳は豪傑型農士だが、幽学は哲人型の郷長老です。
尊徳は権力的背景があり、
世の中に知られて居りますが、幽学は知られて居りません。
不遇と悲劇に終ったが、藤樹・尊徳・幽学三人は郷学三先生というべきでしょう。