【仁義の大道】
日本経済の目覚ましい成功発展が
益々謳歌されている時、
一日読書のみぎり、
ふと幕末の英傑横井小楠の
名言に出会った。
――「こゝで日本に仁義の
大道を起さねばならぬ。
強国に為るではならぬ。
強あれば必ず弱がある。
この道を明らかにして、
世界の世話焼に為らねばならぬ。
一発で一万も二万も戦死する
といふようなことは
必ず止めさせねばならぬ。
そこで我が日本はインドの
ような植民地になるか、
世界第一等の
仁義の国になるか、
とんと、この二筋のうち、
この外には更にない」
―村田氏寿対話。
一寸語を変えて言えば、
そのまゝ今日のわが国是に
なるものである。