【興亡の原理】
ローマの亡ぶや、
義人サルヴィアヌス痛歎して曰く、
ローマの人々よ、恥を知れ。
汝らの生活を恥じよ。
蛮族の占領したる処を除いて、
悪の巣ならざる都市、
汚れに染まぬ城邑有りや。
蛮族が我等を征服し得たるは、
彼等天賦の強さに由るにも非ず。
我等生来の弱さの故にも非ず。
他事を思う勿れ。
我等を征服したるは
我等の放逸なる生活に
巣食いし悪徳に外ならずと。
古今興亡、実に其の揆を
一にするなり。