【我が計をなすべし】
どうせ吾々は飯を食っても
胃袋以上には食えない。
五尺の体に八尺の着物を
着せても着られないのだから、
大体衣食僅かに足れば好い。
どうかこうか衣食足りれば
それで好いとしたものである。
黄金万両を残すも
かえって子孫の過ちを増す。
書万巻を残しても子孫
必ずしも書を読まぬ。
立派な親の大事にした書物を
二束三文で叩き売ってしまう。
そんなことは実に悲惨なものである。
だから子孫には自ら子孫の計あり。
我はまさに我が計をなすべし。
人世を達観した古人の名文句と思う。