【青年と老人】
日本今日の混乱頽廃【たいはい】は、
青年人材の不振と同時に、先輩老年の不徳に因【よ】る。
外国かぶれの多くはむやみに革命を主張し、
歴史伝統を重んずる我々は常に維新を期するが、
その維新・革命のいずれも青年に限る、
先輩老人は有害無用とする者が多い。
これは大きな誤りであり、
出来ない相談であり、
要するに青年の昂奮か、
煽動屋の阿諛【あゆ】にすぎない。
いかにも維新・革命の尖鋒【せんぽう】は
多く青年でなければならないが、
青年をして自由協力にその使命を遂行することが
出来るようにする為には、
必ず先輩老人の無私にして賢明大胆な助力を要する。