黒田クロの心晴れやか 2018年06月12日(火曜日)

【受け取り手のない贈り物は・・・?】

 言葉は消しゴムでは消せない

 

 福の神が老人に姿を変え、街の商人の心を調べに行った。

 忙しそうにしている店があったので入った。

 「いらっしゃいませ!」と大きな声で迎えてくれた。

 「ハイ!この商品はどうですか」

 「これは安いよ!」

 「それじゃ、これは!」

 あまりにも一方的に売り込んできたので、モタモタしていたら、

 「お客さん、買う気がないなら、商売の邪魔になるから、よその店へ行ってくれないか」と言われた。

 老人が、店主に言った。

 「ワシの着ている服を、あんたにプレゼントするよ」

 店主は、

 「そんな汚いものはいらないよ、失礼な年寄りだ」

 と言って受け取らなかった。

 「それじゃ、この受け取り手のない贈り物はだれのもの」

 「そんなの、あんたのものに決まっているじゃないか」

 「そりゃ、そうだろうな、受け取り手のない贈り物は、送り主のもんじゃのォ」

 そして老人は言った、

 「すまないが、先ほどワシにプレゼントしてくれた、きたない言葉、あんたに返すよ」