安岡正篤一日一言 2018年06月07日(木曜日)

【女色恋愛を戒める】

 日本の武士道において注意すべきことがある。
 年若い時分に男女七歳にして席を同じうせずとか謂(い)って、
 女色恋愛というものを戒める。
 これは西洋思想で育ってきた近代人が
 武士道の頑迷(がんめい)を指摘する
 一つの便として何時も引用するが、
 これはそんな浅薄ことではない。
 人間の一生、ことに少青年期に当って、
 一番その人間を動かすもの、支配力をもつものは何かというと、
 女色の問題恋愛の問題です。
 あまり年若い時に恋愛を得るとか、
 女色に耽(ふけ)るということは、
 若者として天から与えられているところの
 豊富な素質才能を多く犠牲にしてしまう。
 これは実に痛ましい犠牲であり自殺である。
 だから、出来るだけその子供に天から与えられているままの
 豊富な性能を肥(ふと)らせてやる、
 伸ばしてやるというには、
 やはり男女七歳にして席を同じうせずという方が、
 どうも正しい教育であります。正しい思想であります。
 もちろん七歳云々(うんぬん)の言葉に
 拘泥(こうでい)してはなりません。