安岡正篤一日一言 2018年04月27日(金曜日)

【うまい味】

 甘い・渋い・苦いは畢竟(ひっきょう)偏味である。
 その至極(しごく)は、
 もはや甘いとも渋いとも苦いとも、
 何とも言えないうまい味である。
 たとえば老子にはそれを「無味」という。
 無味とは「味無い」ではない。
 「偏味で無い」ことである。
 何とも言えない、うまい味のことである。
 これを別に又(また)「淡(たん)」という。
 淡いとは味が薄い、味無いということではない。
 「君子の交(まじわり)は
 淡として水の若(ごと)し―荘子」
 とは水の様に味が薄いということではない。
 水の様に何とも言えない味、
 それこそ無の味ということである。