安岡正篤一日一言 2018年04月13日(金曜日)

【道の親】

 師友は我々にとって第二次の父母兄弟である。
 骨肉の親に対して言えば道の親である。
 そは我々の疲れ病む心意に
 尽きせぬ力と光とを与え、
 疑いと悩みとの他ない人生に、
 意味と悦楽とを恵む者である。
 よい師友を得る時、
 我々はちょうど塵埃(じんあい)と
 喧騒(けんそう)と濁気との都会を去って
 深山幽谷(しんざんゆうこく)に入るように、
 覚えず清新な気を深く呼吸し、
 身心はふたたび健やかに蘇(よみがえ)る。
 そして、おのずからなる英霊の雰囲気が
 我々を卓厲風発(たくれいふうはつ)せしめ、
 ともすれば絶望しようとした人生に、
 また霊活な気分で面接させ、
 萎(な)えんとした双脚(そうきゃく)に
 堂々と四股踏(しこふ)み鳴らさせるのである。