【すべては志】
頭が悪いから勉強が出来ぬなどと考えることが間違いで、
志が一度立てば、
頭の悪いことぐらい問題ではないのであります。
昔から立派な仕事を成し遂げた人で
頭の悪い人が随分おります。
なまじっか頭が良いと、
却って安心して怠け者になったり、
脱線したりする場合が多い。
頭の悪い者が努力して、勉強して、
たたき上げたというのは立派なものであります。
書でも、書才というか器用な人の書は、
筆先でごまかすために軽薄なものが多い。
しかし才能のないものが
一所懸命習いこんだ字というものは、
何とも言いようのない味を持っております。