安岡正篤一日一言 2018年03月21日(水曜日)

【鼠と人間 ②】

 ジョン・カルフーンの鼠(ねずみ)の生態研究は
 識者の多大な関心を呼んだ。
 鼠の群棲(ぐんせい)を限度と思われる数の
 二倍まで殖(ふ)やして観察したところが、
 鼠の社会の正常な機能は激しい混乱と崩壊に陥った。
 従来の家族グループ組織は捨てられ、
 一群の雄鼠は凶暴になり、
 加虐(かぎゃく)性(サディズム)が昂(こう)じ、
 乱交が始まり、
 雌鼠は子鼠の面倒を見なくなり、
 不潔や乱雑が平気になり、
 ヒッピーや瘋癲(ふうてん)のようなものも続出し、
 死亡率が急激に増加し、
 特に幼鼠の死亡率は七五%に達した。
 死んだ鼠を解剖してみると、
 肝臓や副腎などに顕著な異常性が認められた。