安岡正篤一日一言 2018年02月04日(日曜日)

【身心の学】

 上州廐橋侯酒井忠擧は学を好み、
 1日3輪希賢(執齋)や老臣の大澤勘太夫と講書の座で、
 請わるるまゝに朱子の大学章句序を講じ、
 「聡明睿智」について、
 聡は耳にて聞誤らぬこと、
 明は目にて見誤らぬこと、
 睿は心のさとくて暗からぬことであると云うと、
 途端に勘太夫が無遠慮に、
 そんな文字のせんさくは誰でもできます。
 殿御自身御目に見そこない、
 御耳に聴そこないがございませんか。
 そこらの義をお聞かせいただきたいとつっこんだので、
 侯は一言も無く、大いに啓蒙を感謝した(酒井忠正夜話)。
 これが活学であり、陽明所謂身心の学である。