安岡正篤一日一言 2018年01月21日(日曜日)

【古典に親しむ】

 われわれは常に時と処とに限定されて、
 狭い窮屈な遽(あわただ)しい生活をしておりますが、
 そういう中にあって古典に心をひそめる時には、
 われわれは時と処との限定を超越して、
 直ちに無礙(むげ)の世界に遊ぶことが出来るのであります。
 古典はこういう無限の楽しみや真の自由を
 われわれに与えてくれるのでありますが、
 その上古典は歴史のふるいにかけられて残ったものであります。
 歴史的評価に耐えてその生命を持ち続けるということは、
 これは容易ならぬことであります。

 個人でもそうで「歯徳(しとく)」という言葉がありますが、
 生きるということ自体一つの徳であります。
 人と人との交わりにしても、余程お互いに修養し、
 蘊蓄(うんちく)を持たなければなかなか長続きするものではありませぬ。