安岡正篤一日一言 2018年01月18日(木曜日)

【松平定信の願文】

 松平定信が三十の若さで宰相の大任を受け、
 田沼の悪政を根本的に改革しようとする決心から、
 窃(ひそか)に本所吉祥院に詣(もう)でて納めた願文が
 つい明治になるまでほとんど分らずにあった。
 それによると、天明八年正月二日松平越中守儀一命に懸け奉り、
 一命は勿論(もちろん)、妻子の一命にも懸け奉って必死に心願致します。
 若(も)しこの願い叶わずして、
 下々困窮し、人々解体するようならば、
 ただ今の内に私死去するようにお願い致します。
 その方が反(かえ)って忠孝に叶うと存じますというような
 切々たる心事を極秘に敬白している。