安岡正篤一日一言 2018年01月10日(水曜日)

【敬と恥】

 人の人たるゆえんは、
 実に「道徳」を持っておるということです。
 そしてそれは「敬」するという心と
「恥」ずるという心になって現れる。
 いくら発達した動物でも、
 敬するとか、恥ずるとかいう心はない。
 これは人間にいたって初めて神が与えたものなのです。
 敬する心は、人間が限りなく発達を望んで、
 未完成なものにあきたらず、
 より完全で偉大なるものにあこがれるところから生まれてくる。
 これは人間独特の心理であります。
 そして敬する心が起こると、必ずそこに恥ずるという心が生まれてくる。
 敬する心と恥ずる心とは相待関係のものでありますから、
 したがって敬を知る人は必ずよく恥を知る人であり、
 恥を知る人は必ずよく敬を知る人である、
 ということができるわけであります。