松下幸之助翁のお話 12月20日 日に十転す

古人は“君子は日に三転す”と言ったという。君子は時勢の進展というものを刻々と見て、それによく処しているから、一日に三回も意見が変わっても不思議ではないというのであろう。

今日はおそろしくテンポの早い時代である。そうした時代に、十年一日のごとき通念で、ものを見たり考えておれば判断をあやまることも多いだろう。昔ですら君子たるものは一日に三転しなければならなかった。テンポの早い今日では、日に十転も二十転もするほどの識見と判断の素早さを持たねばなるまい。

人間の本性は変わらぬものだが、その上に立って、変わりゆく時勢の進展に刻々と処していくことが大事だと思う。