安岡正篤一日一言 2017年11月21日(火曜日)

【咳唾みな珠なり】
 怨むべく、怒るべく、
 弁ずべく、訴うべく、
 喜ぶべく、愕【おどろ】くべきの際に当り、
 其の気甚だ平らかなるは、
 是れ多大の涵養。
 (呻吟語・存心)

 怨むべくして怨み
 怒るべくして怒る、

 弁ずべくして弁じ
 訴うべくして訴う、

 喜ぶべくして喜び
 愕くべくして愕くというのは、
 よほど涵養した人ですね。

 それがまたそれぞれに味がある。

 非常にできた人が
 怒ったというのはいいものです。

 また泣いたというのもいいものです。

 つまらぬ人間が怒ると
 いかにも見苦しい。

 信用のないものが泣くと
 これはまた情けない。

 同じ喜怒哀楽でもやっぱり
 人物によってみな違います。
 
 おもしろいもので、
 人物ができてくると、
 「咳唾【かいだ】みな珠【たま】なり」
 といって何でもいいものです。

 人間はそうならなければいけません。