安岡正篤一日一言 2017年06月21日(水曜日)

【悪まずして厳】

 家庭教育で一番大事なものは「悪まずして厳」ということであります。
 教育となると、真剣になればなるほど子供の欠点がわかるから、
 どうしても親しいほど腹が立ったり悔しくなったりする。
 そこで教育に熱心な親ほど、特に父親は性急である。
 どうしても子供も叱(しか)る。
 そこで感情が複雑になってくるから、愛情よりは憎むという、
 愛憎という感情が動いてくる。
 少なくとも子供はそう受け取る。
 そうして子供は非常にひねくれる。
 だから孟子のようなやかましい人でも、教育に関して、
 「父子の間は善を責めてはならん」と言うておる。
 善を求めて相手を責める、こうしなきゃいかん、なぜしないかと、
 善を責めるといかん。
 善を責めると子は父から離れる。
 親子の間、父子の間が離れるほど不祥なことはないと孟子は論じておる、
 まことにその通りであります。