安岡正篤一日一言 2017年06月10日(土曜日)

【心 聾】

 心聾(しんろう)ということあり。
 心聾とは心の耳つぶれという文字なり。
 鈍(どん)なるものは耳の遠い様なり。
 人の言うことをちゃくとは聞き得ず。
 さらば耳が遠きかと思えば、耳は遠からず。
 心が鈍き故に、耳に入りながら、心に合点する処遅きによりて、
 耳の遠きようにあるものなり。
 まさしく耳には入れども、心に得ざるなり。
 心聾とはこれを言うなり。(沢庵「玲瓏随筆」)